【ネット】あの映画のココがわからない

２ちゃんねるまとめ系サイトの紹介なので、例によっていつもの注意。
「嫌いなひとは、わざわざ読まないほうがお互いに幸せですよ」

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http://anokoko.com/
要は、誰かが「この描写の意味がわからない」「結局どういう結末？」なんて質問すると他の誰かが答える、それを映画別にしてまとめたサイト。
上のほうのサイトが本家だけど、更新は完全停止していて。
それ以降の内容を、下のほうのサイトでまとめている、みたいな形らしいので、内容はかぶっていないみたい。

ネタバレを気にしなければ、読み物としても普通におもしろかったりするので、ヒマなときに見るのもいいかもね。

で、そうやって何の気なしに見てみると、自分で解釈していた内容が、どうも見当外れだったんじゃないのか、と疑わしくなってくることもときどき。
もちろん、解釈なんて人それぞれでいいんだけれど。

「ちーちゃん、映画、おもしろかったね」

　劇場から出て、朗らかにいい放った彼女の頭を、わたしはどついてみたくなった。

「おもしろかった？あれが？あんな意味不明なだけの映画、わたしは認めない」

「へ？意味不明？どして？」

　訂正。開頭して中身を覗き込みたくなった。

「どうしてって、アレだよ？意味わかんなくない？」

「ちーちゃんは、きっと、難しく考えすぎてるんだよ」

　む。そんなことを言うのか。

「じゃあ‥‥あの老婦人の回想の、王子様の話はなに？」

「あれは、つまり、ツバメでしょ？」

「はい？」

「ほら、宝物をあげた王子っていえば『幸福の王子』でぇ、それと『愛人』ってキーワードを組み合わせたら、ほら、ツバメ」

　それなんて連想ゲーム？

「うん、それは認めよう。で、ツバメだから、なに？」

「ん、ツバメはツバメでいいんじゃない？」

　そこから先が大事なんだよこの子はもう。

「まぁ、それは保留しといて。他は、あれだ、唐突になんか燃えたやつ。周りに置いてた小道具からして、燃えたのはたぶんネズミ‥‥」

　ネズミに、火。ツバメ。えぇと、ちょっと落ち着いて考えてみよう。龍もあった。玉の枝は、あそこの壁紙か。石の鉢は‥‥

「謎はすべて解けたけど、なんか嬉しくない」

　なんだこのやるせなさ。わかったらわかったで、徒労感しか残らないぞ。これはやっぱり、認められない。

「意味はわかった。でもおもしろくない。ひづるが、なにをもっておもしろいって言ってるのか、まずわかんない」

「だから、難しく考えちゃダメだって。意味のないものに意味を求めたら、人生の負けだよ」

　‥‥納得しかけて、意味がない時間を過ごしたことに少しだけ腹がたって、わたしはひづるの頭を、改めて小突くことにした。