【科学】クマムシ、宇宙からも帰還

http://wiredvision.jp/news/200809/2008090922.html

あのクマムシが、ついに宇宙からの帰還さえも果たしたらしい。
ざっと説明すると、クマムシは大きくても体長1mm程度の生物で、とにかく「死ににくい」ことで有名。
温度ならほぼ絶対零度から摂氏150度くらいまで。
圧力なら真空から75000気圧まで。
その他極端な乾燥状態や放射線の被曝にも耐えてしまう。
(実際には、そんな環境下では「生きている」わけではなく、あとで元の環境に戻ったときに元の生活に戻れる、という意味で「死んでいない」、だけではある)
そんなクマムシだから、宇宙空間でも死ぬことはないんじゃないか、と思われるのも当然のこと。
その実験を行うためのロケットが打ちあがったのが、だいたい1年まえ
その実験ユニットが還ってきて、結果を記した論文が発表された、というのが今日の記事。


その実験内容と結果を、記事から引用。

軌道に達すると、クマムシを入れた容器が開けられた。一部のクマムシは低レベルの宇宙線だけを浴び、残りは宇宙線のほか、何も遮るものがない太陽光も浴びた。すべてのクマムシが温度差の激しい真空の宇宙空間にさらされた。
宇宙線だけを浴びたクマムシたちは、地球に戻ると復活し、宇宙線を浴びていないクマムシと同様のペースで繁殖した。
太陽光も浴びたクマムシたちが蘇る確率はそれより低かったが、一部が生き残っただけでも驚くべきことだ

つまり、極低温と高温の温度差+真空+生の宇宙線なら問題なし、しかし太陽の直射を浴びるとちょっとだめっぽい、らしい。
英語を読むのが面倒だからもとの論文には目を通してないけど、「太陽」ってファクターによる差は、なにが原因なのかちょっと気になる。
太陽から出る、生の紫外線かなにか、ってことなのかな、想像だけど。

おもしろいのは、クマムシがどのような仕組みで不死性を得ているのかは、まだ謎だということ。
地球に残る謎のヒントを、宇宙に求めるだなんて、その展開の大きさに思わずわくわく。

 その時間は、決して無音なんかじゃあない。

 ミッションのナビや現在の環境を伝える、無線に各種アラートにスーツの駆動音。

 そんな数々の、心を乱すような音が高く低くあらゆる周波数で身体を取り巻いているものだから、とても静かとはいえない。

 けれど、なんの偶然か、ほんの一瞬だけ静寂が訪れることもある。

 そのとき、唯一の『音』として感じたものがなんだったのか、想像できるかい?

 俺には、海の音に思えた。

 ああ、もちろん、限りなく薄い空気と400kmの距離を隔てて、潮騒が聞こえたと言いたいわけじゃない。

 そうだな、きっと、すべてから切り離されて、なにも頼るものがない場所で、求めたそれが。

 それが、きっと『ルーツ』なんだとわかった、そんなところかな。