【ニュース】ダイオウイカ、ただ大きいだけ

世界最大のイカ、イメージと異なり実は「ブヨブヨの肥満体」 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

去年の2月に、500キロ近いダイオウイカが、生きている完全な形で捕獲されて、その生態を研究していたらしいんだけど。
その結果、神話の時代から語り継がれるような「凶悪な海の悪魔」ってイメージは伝説でしかなく。
ただ大きいだけ、とりあえず生きて次の世代を作るだけ、な生き物になっている、らしい。


とりあえず、研究チームのリーダーさんのコメントがナイスすぎるので、引用。

「このイカがすごいスピードで海中を泳ぎ回るなんて想像できない。ファイティングマシーンになるにはブヨブヨしすぎだ。恐らく卵を抱えて海底でごろごろしているんだろう、死んだ魚とか食べながら」

死んだ魚とか、って。


いやしかし。
大きな生物ってのはそれだけで燃えるものだし、わりと正体不明な海の生物ってのも趣深いものがある。
それが組み合わさっているダイオウイカなんて、そりゃもう、人類の夢の具現だといってもいいかもしれない。
で、ちょっと思い出して、ステキ生物を紹介しているサイトを見ていたら、「ダイオウイカの天敵はマッコウクジラ」とかいう記事を見つけた。
ダイオウイカ - 巨大動物図鑑
真偽の判断は置いといて、この話だと、マッコウクジラはダイオウイカを狩るためにわざわざ深海まで行き、場合によってはその戦いの場所が海面近くまで移動し、人間に目撃されることもある、と。
すごいよ海、ちょっとすぐには想像できないようなスケールだ。

 海は嫌いだ、と公言する先輩がいた。

 なぜかと訊かれると、いつも決まって、同じ話をする。

 なんでも、海中で、『30メートルはあるフワフワとしたなにか』を見たからだ、という。

 見た、というところがポイントで、それに絡みつかれたとか襲われたとかではないらしい。

 しかも、それを話すときの先輩は、恐れているふうでもなく、不思議なものを見たというような興奮があるわけでもなく、ふと振り返ったらそれがいたのだと、淡々と述べるだけ。

 当然というか、信じるものはほとんどいずに、いったい何を隠しているんだと噂しあうような状況だった。

 それから、どうなったか。

 ぼくが知る、二つだけの事実を述べよう。

 台風が近づいていた日、荒れた海の近くで、ぼくは先輩を見た。

 その日を境に、先輩は、消えてしまった。

 ほんとうに、それだけ。

 解釈はいくらでもできるかもしれないけれど、それはぜんぶ、ウミガメのお腹の中におさめることにした。