【動画】FC ウィザードリィ TAS 52.83

[ゲーム]の記事が、アンプラグドか、さもなければレゲーしかないのは、気にしない。


FC ウィザードリィ TAS 52.83 - ニコニコ動画

そんなわけで、ファミコン版のウィザードリィ(1)の、最速クリア動画。
「52分」ではなく、「52秒」なので、お間違えのないように。


もちろん人間技ではなく、『TAS』と示されているとおりの、Tool-Assisted Speedrunな動画。
TASってのをひとことで言えば、エミュレータを使って、入力は常に最速、結果は常に最良になるようにし、「理論上最速」に限りなく近づけるプレイスタイルで。
詳しいことは、Wikipediaに。
wikipedia:やり込み#Tool-Assisted Speedrun (TAS)
ただし、本当に最速を達成することは、「入力を最速」「結果を最良」だけで可能になったりなんかしない。
必要な労力は並大抵ではなくて、バグも含めた仕様からの解析と、実際に動かしたときの振る舞いからの解析との両面から、結果的に最速となる組み合わせを探し出す必要がある。
まぁ、そのへんの話は置いといて、この動画。
人間が理解できるスピードを遥かに上回る速度で進行するけど、TASには関係ない。
WIZを知らないひとには意味がまったくわからないだろうから、なんだこれとでも思えばじゅうぶん。
わかるひとは、(コメントが流れなければ)画面下部の解説を眺めたりしつつ、苦笑してしまうことだと思う。

 特別な別れになんて、なるはずがなかった。

 いまから彼はこの扉から出て行き、そして、あたりまえのように帰ってくる。

 準備は万端だとか、あらゆる事態に対する備えがあるとかのレベルじゃない。

 これから先に起こることはすべてわかっているし、いつなにを選択するのかも、既に決定している。

「見守る覚悟はできたかい?」

 彼のこの言葉も、決まりきった手続きでしかない。だから、こう言うのだ。

「覚悟なんて必要ない。これからのことは、神様よりも、理解している」

「いい子だ。行ってくるよ」

 彼は外にまっすぐ向き直る。扉を開ける。歩き出す。

 それはすべてがいつもと同じことで、だからこそ、混乱と恐怖がこの身体を支配した。彼が扉をくぐるそのとき、いつも呟いていた言葉が、このときはじめて聞き取れてしまったから。

「君に、ぼくの神様の、加護を」