【技術】従来のDVDに9倍のデータを記録

そんな話を、GIGAZINEさんから。
これでBlu-rayは不要?従来のDVDに9倍のデータを記録する技術が登場 - GIGAZINE

光ディスクの仕組みを簡単に言えば。
まず、ディスクの表面を細かい領域に区切って、それぞれの場所に溝をあけたりする。これがデータの記録。
データを読む場合は、その領域にピンポイントにレーザーを当てると、溝の状態で反射してきた光の性質が変わるから、それを利用している。
この新技術だと、溝をあける方法を工夫して、反射させる光の性質を数種類に増やすことで、データ密度を増やしている、と。


この手の、現状のメディアの記録密度を高めてみました、な製品は、昔からいろいろとある。
3.5インチフロッピーに120MB入れてみたりとか、A4紙に256GB入れてみたりとか(まぁ、こっちは眉唾として)。
ただ、「旧世代のメディアに無理やり詰め込んでみた」感が強いものになってしまうのも事実。
高くて遅くて使いにくくてそれなりの容量で、旧規格と互換性があることがメリットの製品より、互換性はないけど早くて使いやすくて、普及に伴い価格が下がってくる製品だと、そりゃ新型を選ぶって話。
120MBなFDは、MOが流行って、CD-Rが急速に値下げをはじめたころだった(はずだ)から、結局、実物を見たことはなかったりするし、その程度しか売れなかったわけで。
ただ、今回のこの話、DVDはまだまだ現役だと、言えなくもない。けっこうギリギリかもしれないけど。
まぁ、データのバックアップ目的なら、現状だとHDDを正副2台運用で、大容量+信頼性+コストでかなり勝っている気がするから、どこのどういうニーズに応えることができるのか、次第かな。

「ねぇ、このCD-Rなんだけど、読めなくなってさぁ。どうにか‥‥なる?」

 彼女に上目遣いでそんなことを言われたら、協力しないわけにもいかない。僕は、彼女の手から、そのCDケースを受け取り、開く。

 どうやら、写真のアルバムを収めたものらしい。日付は、ちょうど10年ほど前。劣化して、読めなくなっていても、おかしくはない。

 永遠に色褪せない記録を、なんて宣伝に乗ってデジカメに乗り換え保存され、存在を忘れられて消え去っていくデータは、どのくらいあるんだろう、と考える。

 フィルムなら、それこそ、100年でも残っていたって不思議ではないのに。

 写真を撮る習慣のない僕には、どちらでも構わないことだけれど。

「とりあえず、調べてはみますね。でも本当に読めるようになるかは、保証できませんよ」

 彼女の顔に、微笑が灯る。まったく、この笑顔なら50年は保存したいなんて考えてしまうんだから、仕方がない。

「誰から聞いたかは知らないし、聞きませんけど、秘密ですからね。職場の機械を勝手に使ってるわけだから」

 僕は、椅子を回し、背後のマシンのスリープを解除する。そんなに大した機械じゃないが、個人で買うには少々高すぎる、このシステム。

 本来の用途ではないけれど、どこから噂が広まったものやら、こういった依頼がときどき舞い込むようになってしまった。

 まあ、その能力がある以上、人の幸せのために使うのもやぶさかではない。ワンクリックでソフトウェアを起動する。残業代はつかないけど、もう一仕事、がんばってみるとしよう。