【技術】ゴミの山から宝の山へ

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言葉どおりのかなり興味深い内容だし、多くのひとが正しく知っていることが必要なことでもあるので、タイトルから内容が予想できるぜぃというひと以外は、一度は目を通してほしい記事。

かいつまんで説明すると。
まず、電子機器には必ず使われているレアメタルは今後、世界的な需要が高まり、安定して供給され続ける保証がない前提があるわけで。
そこで、使わない電子機器を回収してレアメタルだけ取り出せば、輸入しなくてもいいんじゃないかと言われている。
実際、日本の国内には相当な量のレアメタルが眠っているようだし、すべてがリサイクルされれば、かなり幸せなことになりそうだ。
現状ではその道のりは果てしなく遠く見えるけど、いまのうちから一人一人の意識を変え、仕組みを整え、投資をしていければ不可能じゃないよね。
‥‥と、いうお話。


個人的に、なにより興味をひかれたのは、新型の精錬所の話。
鉱石と同じように、電子機器(の基板)を細かく砕いて投入すれば、金属だけを取り出すことができるらしい。
まぁ、基板じたいの原料であるシリコンやら石油製品やらがどうなるのか、考えるとちょっとだけ気がかりではあるけれど。
ほかにも、化学的に分離してしまうような研究もなされているみたいだし、いろいろな方法が模索されている状況なんだろう。
こんな、未来を支える基礎になるような技術が、この国で生まれていることは頼もしいし、それが実現されることに期待もできるってもの。


で、考えてみると、そっちだけが成功しても、ほかに大きな問題があることにも思い当たる。
資源のリサイクルのためには、まず回収できないとどうしようもない。
壊れかけの電化製品や自動車が、外国に流れていっているのは周知の事実なわけで。
メーカーからユーザー、そしてまたメーカーに戻るまで、そこで関わるすべてのひとが、同じ意識の上に立たないと、ほんとうに夢物語になってしまう。
そんな未来を避けるためには、みんなが知っていることが、なによりも大事。


あぁ、資源を得る技術なら。
小惑星をキャプチャして、資源衛星にしてしまう、とかいうのもあるけれど。
こっちはもっと夢物語だし、ね。


「知ってる? この町にもあったんだよ。ゴールドラッシュ」

「出てくるのは、ゴールドだけじゃなかったけどね」

「シルバーのネックレスが出たときには、どうしようかと思ったよね」

「魚の骨は、化石とか思わせたかったのかな」

「どう見てもしっぽが焦げてたんだけどね」

「古銭を見つけたのはタカシだったっけ」

「たいした価値がないって知って、がっかりしてたよね」

「コーラのビンの蓋は、なんだろね」

「そういう映画があったんじゃない?」

「あ、ほら、呆れた顔されてるよ」

「ほんとだ、あはは、ゴメンね。でも、ふざけてるわけじゃないのよ」

「そうそう、ぜんぶ、ほんとうにあったこと」

「そしてね、これがいちばん大事なことなんだけど」

「そういうガラクタだけじゃなくて、金も一緒に出てきてた、って言ったら?」

「うん、ほんと。ぜんぶ、本当のこと」

「そんな噂、隠しきれるわけがなくてね、あちこちから、いろんなおとなが来た」

「どうみても胡散臭いのに、顔だけはいい男に、キャアキャア言ってたのはユカリだっけ」

「でも、不思議なことに」

「だれも、金を見つけられなかった」

「崖の形が変わるくらいに掘り尽くしたのに」

「だれも、見つけられなかった」

「おとなたちは、だれも、ね」

「金を見つけていたのは、決まって、こども」

「それも、さっき言ってたガラクタといっしょに、ほんのひとかけらだけ、見つかる」

「こどもが探せば、必ず見つかるってものでもなかったけどね」

「そういう偶然が、10回くらい、続いただけ。くす、10回は偶然って言わないかな」

「それだけしか、見つからなかった」

「けれど、それだけのものが見つかる間に、崖は削られ掘られ尽くして、どこにもなくなった」

「そして、雨が降って」

「あれだけいたおとなも、どこにもいなくなった」

「そしてまた、雨が降って」

「盛られていた土の山も、どこかに流れていった」

「そして、残ったのが」

「そう、最後に残ったものが」

 ‥‥きみたちが在る、この神社の、御神体というわけなんだね。