【小説】『スレイヤーズ!』ってミステリィ!

たまにはアニメ系の話もいいかもね。
「スレイヤーズREVOLUTION」、7月2日(水)25時20分からテレビ東京にて放送スタート - GIGAZINE
と、GIGAZINEさんでも過去何度か取り上げられているけど、『スレイヤーズ!』の新作アニメが、7月から開始されるらしい。
いやいや、懐かしいねぇ。
個人的にはそこまでハマった覚えはないものの、小説を買っているひとは周りに何人かいたし、『黄昏よりも昏きもの』で始まるあの詠唱をそらで言えるひともいた記憶がある。
しかし今日の話題は、昔を懐かしむでも新作の期待を語るでもなく、この書評から。


スレイヤーズ 書評 (『スレイヤーズ!』ってミステリィ!)
リンク先には『スレイヤーズ!』の長編シリーズ全体にかかるネタバレがあるので、注意のこと。このページではネタバレの話はしないのでご安心を。
スレイヤーズ!』ってナニ?なひとも。あらすじを書いてから『ミステリィ』としての考察に至っているので、興味があればぜひ。
ミステリィ』ってなに?なひとは‥‥おぉ、『ミステリィ』の定義もちゃんと書いてあるので、興味があればぜひ。

「書評」の解説なんて、屋上屋を架すような真似はしないけれど。
ミステリィ』すなわち『謎の解決』ってのは、エンターティメントという広い枠組みの本質と同じことだと、よく言われる。

名探偵シャーロック・ホームズと助手のワトソンがキャンプをしていた。彼らは星空の元でテントを張り、眠りに落ちたが、夜中にホームズがワトソン君を起こした。
「ワトソン君、見たまえ。綺麗な星空だ。この星空からどんな推理ができるかね?」
ワトソンは答えた。「とても多くの星が見えます。もしとても多くの恒星があり、もしそのうちのほんの僅かでも惑星をもつとしたら、多分、地球に似た惑星もあることでしょうし、もし地球に似た惑星があるとしたら、生命が存在するかもしれませんね」
ホームズは言った。「ワトソン君、わかってないね。我々のテントが盗まれたんだよ」

(訳は庄内拓明の知のヴァーリトゥードさんより)
この(ある意味)有名なジョークも、ジョークではあるが体裁はミステリィであり、語り方を変えればそのままホラーにもなっていいわけで。
ミステリだラノベだ文学だのカテゴリに囚われずに、『テーマ』を書きたい形で書くのが創り手の楽しみ、読みたいものを読んで『テーマ』に触れるのが読み手の楽しみだと、そう思うのデシタ。


「えぇと、このキャラ。このキャラの『創造士』って、どういうジョブ?」

「あぁ、ノミルですね。『創造士』というのは『魔法創造士』の略で、名前のとおり魔法を創造するジョブです。
 そもそもですね。この世界観では、『ヴァリアブルズ』という物質が、そこらじゅうに漂っているわけです。俗に言う『マナ』ですね
 魔法使いは、この『ヴァリアブルズ』を操作して変質させることで、『炎のような物質』とかを作って、それが『魔法』になるんです。
 これは、本来ならば術者のイメージどおりに変質させられるんですが、一からイメージを構築することは難しいので、そのお手本として、魔法の体系ができあがっているんです。
 で、ここに『創造士』が出てくるわけです。無から自らのイメージを具現化し、新たな『魔法』を創造する。これが『創造士』なわけです。」

「ふぅん、あぁ、なるほどね。『ヴァリアブルズ』ってちょっと長いから、もっと言いやすい名前を考えてね。で、つぎ、このキャラの『ゲートキーパー』ってのは?」

「え、あ、はい。それは‥‥」