【食べもの】トルコライス マニアックス

ふと思いついて。
トルコライスって、知ってる?」と聞いてみた。
「え? なに? タコライス?」
えぇと。とにかく、絶望した。
そういうわけで、本日のテーマはトルコライス
詳しい説明はWikipediaに任せるとして(上の「トルコライス」がWikipediaへのリンクになってます)、ここでは大雑把に説明すると。
ひとつのお皿の上に、ピラフと、ナポリタンと、トンカツが並べられて、さらにその上からデミグラスソースをかけて頂く、お前それ何kcalだ、とツッコミたくなるような料理。
(実際には、ライス+カツ+スパゲティが基本条件で、あとはお店によってオリジナルの食材や味付けで提供されている)
長崎のひとならほぼ間違いなく知っていて、東に行くほどに指数的に知名度が低くなってそうだけど。一品でお腹いっぱいになるうえに、単品でもおいしい料理を、14通りの組み合わせで食べることができる、とても素敵な料理。
(3種の食材の組み合わせが7通り、ソースの有り無しで×2パターン)


そんなワンダーな料理を、追い求め、食べたくなってしまう写真とともに紹介してくれているのが、このトルコライス マニアックスさん。
その数、今日現在で「200食・183店舗」とのこと。記事の日付を見ると、3年間でこれだけの数を紹介しているようで。ほぼ長崎県内で、トルコライスだけを求めて、この成果。それでもまだまだ発見がありそうだ、というところに、この料理の奥の深さが垣間見える、のかもしれない。
ともかくこのサイト、長崎に行って、あえてチャンポンやかすてぃらを避けておいしいモノ巡りをしたいときには、頼もしいガイドとなってくれるハズ。


「あの『亡命料理』、潰れたってよ」

 そのニュースが広まるのは、話題になったその店の評判が広まるより、さらに速かった。

 『あれなら』『仕方ない』『よく今までもったんじゃない?』

 そんなベクトルだけの感想を巻き起こしながら、数日のうちには誰もが知っていた。

 行ったことはない者、そもそも店の名前も知らない者も多かったが、『亡命料理』といえば誰にでも通じる、そんな店だった。

 もとは、『多国籍料理』を売りにしていたらしいのだが、『多国籍』の意味をどう取り違えたのか、『インド風フレンチトースト』とか、『冷やし中華の地中海風味』とか、話のネタにはなるようなメニューばかりが存在していた。誰が名づけたか『亡命料理』という名が知れ渡っていて、まさにその店の性質を表していた。

 そんな中で、たったひとつ、これだけは騙されたと思って食べてみろという台詞とともに評価されていたメニューが存在した。それが『和風トルコライス』である。

 かしわめしと季節の魚の天麩羅、さっと茹でた蕎麦を盛り、『秘伝の』(という噂だった)タレをかけて食べる、見た目は地味で聞いても美味そうには思えない、その一品。

 「なにが美味いのかわからんが、とにかく美味い」と冗談交じりに言われながら、本気でその味の秘密を調べようとする者も少なからずいた。

 店は空き家になり、秘伝の製法も失われ、それなりの割合の人間が、なんとも言いようがない喪失感を味わった。

 しかしほんの一部の者は、秘伝を追い求めようとした‥‥が、それはまた、別のお話。